『無限資産を積み上よう』
投稿日:2025.07.11
会社の経営内容を判断する財務諸表の一つに「賃貸対照表」があります。賃貸対照表には企業が保有する資産として、①流動資産、②固定資産、③繰延資産の三つで表示されます。
しかし、企業が地道な成長を遂げ永続していくためには、これらの資産だけでなく賃貸対照表に憑依されていない資産が企業の将来を左右すると考えています。それは、信用・製品力・技術力・お客様の質・社員の質(人財度)・組織力(結束力)・人脈力(ネットワーク力)などで、これを「無限資産(ブランド力)」と呼んでいます。
これらの無限資産は、けして目に見えて数字に表れてきませんが、積み上げることで企業の安全度(安定度)・信頼度・そして将来の地道な成長の可能性を増やしていきます。この無限の資産を積み上げるには、「いい仕事(感動を与える仕事やサービス)」をすることで、お客様からの絶対的な信用・信頼を高め、自社を応援してくださるファンや信者客を増やすことです。
さらに、「企業は人なり」と言われるように、人格能力(人間性・人柄)と職務能力(プロとしての知識・技術・スキル)を兼ね備えた社員を育てることで、「あの人に接客してもらいたい」「あの人に頼みたい」「あの人に相談したい」というような人財を育てて、増やしていくことです。 (WMC道心塾 307号より)
以上の文章は、毎月メールで送られてくるWMCの道心塾の一文です。確かに目に見える「賃貸対照表」も大事ですが、その数字の裏付けとなっているのは、私たちの仕事に対する考え方や取り組みだと思います。常にお客様に喜んでもらおう、良い製品やサービスを提供しよう、という前向きな精神がお客様の信用・信頼となって次の仕事の受注につながります。
震災前の話ですが、いわき市のあるお客様から度々いただいている仕事に対して「毎回刷り色が違う!」とクレームが入りました。さらに、「当社の仕事はこのオペレーターにはさせないで下さい!」と厳しいお言葉をいただきました。作業指示書には印刷担当者のハンコが押してありますので、すぐに確認すると、スミマセンの言葉一つなく、難しいとか、他の人に変えてくださいとか、できない言い訳ばかり。本人としては毎日一所懸命やってはいるのでしょうが、向上心がありません。ただこなしているだけの人でした。
毎月50万円を超えるほどのお仕事をいただいていたお客様でしたが、これでは信頼をいただけませんよね。やはり仕事は常にしこ成長を目指し、信頼されるような人財になっていかなければなりません。このオペレーターは、「もう印刷の仕事はやりたくない!」と言って、福島県に戻ってくることはありませんでした。また、いわきのお客様も震災をきっかけに取引が途絶えてしまいました。商売とはこのようなものですね。
今ではお客様から「安心してお願いできる」と有難いお言葉をいただきます。さらにお客様からの信頼を高められるように日々仕事に学んでまいりましょう。