秋茄子の味が・・・
投稿日:2016.05.11
第12回経営指針発表会も無事終了いたしました。ご来賓のお客様が今年も30名を超え、皆さんも大変お疲れ様でした。
午後からは記念講演として、二宮金次郎七代目子孫の中桐万里子先生をお迎えし、「二宮金次郎のとっておきの話」と題しましてご講演をいただき、とても有意義な一日となりました。
私が歴史上の人物で一番尊敬をしているのが二宮金次郎翁です。小さな事をコツコツと積み重ね、大きな成果を生み出していく『積小為大』の考え方は、伊那食品工業の塚越会長の『年輪経営』とともに、今の私の経営の理想とするところです。何業でも相通ずる基本的な考え方のようにも思います。
そして、この言葉は、鍵山秀三郎先生がよく言っておられる「小さな事をおろそかにしない、平凡なことを非凡にやり続けることで生み出される絶対的な力」とよく似ております。一言でいえば『凡事徹底』になります。
中桐先生のお話の中で私が一番印象に残ったのは、初夏に食べた茄子の味が秋茄子の味がしたことで冷夏を予測し、植え終わった稲を寒さに強い稗や粟や大根などに植え替えさせたお話です。その時の金次郎の「判断」と「決断」、そして「行動」が、結果として天保の大飢饉において一人の餓死者も出さなかったという逸話には、これから訪れるであろう“平成の大不況”に、経営者としてどう対処していくのかと問われているような思いでした。
先の二宮翁の「秋茄子の味」の話ではありませんが、昨年の7月ごろから業界の異変に気づき、さらに盛り上がりに欠けた年度末を経験したことで、「もしかしてこれから・・・」という予感が、「間違いなく、本格的な不況に突入していく」という確信に変わりました。これから様々な業種で破産や倒産が続出して来ることでしょう。備えはしておりますが、これからは、仕事は「入ってこないもの」という視点でとらえ、さらにムダなく、ミスなく、迅速、丁寧に取り組んでまいりましょう。